借地権を売却したい。どんな方法があるの?

借りた土地に建つ住宅を売るときは、一般的な不動産売却とは違う点が多々あります。「不動産会社に依頼すればOK」という単純な流れとはなりません。また、地主さんが認めてくれなければ売却ができないので、地主さんの意向も重視しなければならないでしょう。

今回は、借地権を売却するときの選択肢として次の3つの方法を紹介していきます。

◆パターン1.第三者に売却する

第三者に売却をするときには地主からの承諾が必須となります。承諾を得ないまま売却するのは、契約違反となってしまいます。無断売却が原因で借地権が解除されることもあるため、注意しなければなりません。

借地権売却の実績が多い不動産会社に依頼すれば、地主さんとの承諾交渉など細かなケアが期待できます。借地権の取扱い経験があまりない不動産会社に頼むと、交渉が難航したり、トラブルが起こりやすくなったりすることもあり注意が必要です。

また、地主さんが所有する底地(借地権がついている土地を底地と言います)もセットで売却する方法もあります。買い手にしてみれば、「建物は所有できるけど土地は借りもの」よりも、「建物も土地も所有権が持てる」という方が魅力的に感じる人が多いでしょう。

売りやすさ(買い手の見つかりやすさ)で考えると、地主さんと協力しながら「土地+建物」で売るのも条件の良い売却にも繋がると言えます。

◆パターン2.地主さんに買取をお願いする

所有権のある地主さんに借地権を買い取ってもらう選択肢もあります。仲介業者に依頼し第三者に売却するときと違い、地主さんへの承諾料も必要なく、「買い手を見つける」という手間もいりません。話し合い条件がまとまればスムーズな売却ができるかと思います。

ただ、借地人が「売却したい」と思ったタイミングに、地主さんが土地の必要性を感じていないと話しが上手くまとまりにくいでしょう。仮に、買い取ってもいいと地主さんが言ってくれても、金額交渉の段階で話がこじれるケースもあります。売る側の借地人は「高く売りたい」、買い取る側の地主は「できるだけ安く」というのは当然の心情です。自分の気持ちばかりを主張したあげく、地主さんの気持ちを逆撫でしてしまうとトラブルが起こることもあるでしょう。

「話しがまとまりかかっていたのに結局白紙…」とならないためにも、専門家に間に入ってもらい慎重に話を進めていくことが大事です。

◆パターン3.買取業者に直接買い取ってもらう

第三者に売却するため仲介業者に依頼するデメリットとしては、「買い手が見つかりにくい」「地主との交渉が難航する」というものがあります。売却するまでに長い時間を要することもあるでしょう。

それと比較すると、買取業者の直接買取はスムーズな短期間で売却できる魅力があります。

もちろん、この場合の売却にも地主さんとの交渉が必要ですが、買取業者に任せておけるメリットがあります。

◆まとめ

どのパターンにしても、借地の所有者である地主さんが必ず関わってきます。ふだんから良好な関係性を保っていれば、話がまとまりやすい傾向にあります。でも、お金が絡んでくるとこじれることも少なくありません。

権利関係など複雑なことも多い「借地権」の売却は、専門的な知識を持つ不動産会社に依頼することで、スムーズでトラブルを防ぐ売却に繋げることができるでしょう。