家族が増えて賑やか!「三世帯住宅」という暮らし方~その2:注意すべきデメリット編

前回の記事では、三世帯住宅が持つメリットを紹介しました。家族の人数増え、お互いに助け合える温かいイメージがありましたね。

今回は、反対のデメリット部分について焦点をあて、計画するときの注意ポイントをお伝えしていきます。

◆上手くいかないこともある三世帯住宅

祖父母、両親、自分たち家族と家族の人数がかなり多い三世帯同居。核家族とは違って賑やかなイメージですが、人数が増えるにつれ、問題も多発します。

まずは、お金の問題。食費や光熱費をシェアできるものの、「家族だから」という理由で曖昧になり、それが不満に繋がるケースもあるかもしれません。

そして、掃除の問題。お互いの専用空間はそれぞれが掃除すればいいですが、キッチンやお風呂が共用となっている場合には、「誰が掃除するの?」ということもあるでしょう。なかには「どうして私ばかりが…」という不満を抱えたまま言い出せない人がいるかもしれません。仕事を持っている若い世代が日中外出していれば、家事や孫の世話まで両親世帯や祖父母世帯の負担が大きくなることもあるでしょう。

◆お互いのプライバシーを大事に間取りのプランニングを

大人数でワイワイと暮らすのも楽しいですが、プライバシーがまったくないとストレスを溜め込む可能性が大きくなるでしょう。三世帯住宅の基本スタイルは、「完全に同居する」「水回りやリビングなどだけ部分的に共有する」「玄関を完全に分ける」と3パターンが考えられます。

それぞれの家庭の状況に合わせて、どういったスタイルで三世帯住宅にするかみんなで考えるべきでしょう。

人数が多くなると、それぞれの生活リズムにより、食事やお風呂の時間帯もだいぶ違うもの。深夜に仕事で帰ってきたときに、水回りを使う音で目覚めることもあるかもしれません。キッチンやリビングは完全に分けて、それぞれの世帯でくつろげるようにするのも上手くいくコツです。

また、夫の親世帯・妻の親世帯という組み合わせの三世帯住宅は、慎重に間取りのプランニングをすることが大事です。

両家の親が同じ敷地内に住んでいることで、「お互いに遠慮し合う」「気持ちをぶつけ合う」「片方が我慢し過ぎる」など、性格や暮らし方の違いからなんらかの問題を生むことも。間に入っている子供世帯が、ストレスを持つケースもあるかもしれません。

プライバシーをしっかり守れるような完全分離型の間取りなら、適度な距離感でお互いを尊重し合える暮らし方も可能です。

◆まとめ

将来的なことを視野にいれると、親と一緒に暮らしたいと考える人は多いかと思います。建築費を削減できる、お互いの安否が確認しやすい、子育てで協力してもらえる…など、三世帯住宅にはさまざまなメリットがあります。

ただ、個々の主張が強すぎるとストレスを生み出してしまうこともあるかもしれません。

三世帯もの家族が集まれば、食事の好みやライフスタイルも変わるもの。お互いが干渉し合えば、せっかくの同居も辛いものになってしまいます。適度にプライバシーを保てる間取りを考え、お互いが思いやれることが三世帯住宅の持つメリットを引き出せるポイントです。